〔066〕笠ヶ岳 (2,897m)

標高差:1,812m

2005年10月01日(当時56歳)


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岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂
新穂高 笠新道登山口 杓子平 稜線分岐 笠ヶ岳山荘 笠ヶ岳山頂
5時15分 6時09分 8時48分 9時58分 10時26分 11時09分
登り:5時間54分
下り:5時間06分(山荘での昼食含む)
笠ヶ岳山頂 笠ヶ岳山荘 稜線分岐 杓子平 笠新道登山口 新穂高
11時14分 ---- 12時35分 13時26分 ---- 16時20分

  今年6月頃に会社の先輩から笠への誘いを受け、天気最高の日に行こうと調整を始めたのだが、
これまで二度天気予報が思わしくなく中止している。 しかし、南岳ライブカメラをチェックすると、
その二度の日は天気予報が悪いにも関わらず北アルプス周辺は最高の天気になっていた。 今回も
1週間前の天気予報は良かったのであるが、当日が近付くに従って天気予報は悪くなってきた。
これ以上待つと雪が降るかしれないし、又、天気が良くなるかもとの淡い期待で出発する。

今回のコース図、クリックすると大きくなります。
林道歩き1時間弱で ”笠新道”の登山口に着く。
登山口には水場があるが、こんな近くに水場があっても有り難味は薄い。

  登山口には ”笠ヶ岳山荘”までの所要時間が書いてあった。
登り:現在地 <4時間20分> 杓子平 <1時間30分> 分岐 <1時間10分> 山荘
下り:山荘 <40分> 分岐 <40分> 杓子平 <3時間20分> 現在地
  これによると山荘までは登りは7時間、下り4時間40分が必要なことになるが、
沢山の人が日帰りしていることから実質はこんなに掛からないだろうと信じて登る。
  登りと下りのタイムが大きいことは相当な急登を意味しているんだろうと思う。

鎌田川左俣林道を18分歩いた地点から稜線を見上げるが、残念ながらガスで覆われてしまっている。 今日の展望は期待出来ないか。

1時間47分の地点から眼下に見た蒲田川。
すごい斜度で急登振りが判る。

”杓子平”からの急登をこなし、稜線の双六、笠への分岐に出る。
稜線の北側に出ると風が強く霧雨が加わって寒くなって来た。

10時27分、 ”抜戸岩”を通る。
稜線はガスで覆われ、人影もないので抜戸岩のスケールは判らないか。

10時56分、 ”笠ヶ岳山荘”に着く。
入口に吊るしてある温度計は10℃を挿していた。
取敢えず山頂を目指し、帰路に山荘で昼飯にすることにする。

”祠”から少し隣のピークが ”最高峰”らしい。 山頂にはみすぼらしい標識が転がっているだけ。 周辺の展望はガスでまったく無し。

日本百名山なのに山頂には誰も居なかった。 この天気で人待ち
する気にもなれないので、セルフタイマーで証拠写真だけ残しておく。

今日の温泉
  バスターミナル横の無料公衆温泉に入る予定であったが、15時半までに入ってもらい16時で終了となっていた。先輩と相談して温泉には入らずに帰る。この辺は意見がぴったり合った。
雑感
  今回は天気が悪かろうと思いながらの出発だったが、予感通り最悪の天気となってしまった。
小屋泊まりの下山者からは昨日、一昨日は天気が良かったと言うのは散々聞かされた。 ガスの中を歩いた感じ、ネットでの評価を見ても ”笠ヶ岳”はすばらしい展望の山と思う。 何時になるか判らないが晴れ天気でのリベンジをしてみたい。
3年後にリベンジを達成した
  2008年8月11日 展望が得られる ”笠ヶ岳”山頂に立つことが出来てリベンジは達成出来た。
トータル:11時間05分(休息時間含む)

登り途中から一瞬見えた穂高連峰。 左から奥穂高、ジャンダルム、西穂高。
この後は更にガスってしまい下山時を含めて穂高連峰は見えなくなってしまった。

登山口から1時間13分の地点。 ここまでつづら折れの
急登の連続だったが急登はまだまだ続く。

登山口から1時間30分の地点。
見上げると急登斜面は続いている。

薄いガスは掛かっているが近くの景色はまだ良く見える。
右端が登山道、左の白い部分は崩壊帯。

2時間40分間のの急登をこなして平坦地の ”杓子平”に着く。

”杓子平”は穏やかな斜面で初夏には一面お花畑になるらしいが、
今は花は無く紅葉、黄葉が始まっていた。

ガォガォ”とカエルの鳴声が聞こえたので振り返ってみると ”雷鳥”だった。
”雷鳥”は見飽きた感じであるが、こちらを見てポーズを
取ってくれるのでカメラを向けてしまう。

5時間54分を要して ”笠ヶ岳”(2,798m)に着く。
山荘からは10分程の距離だった。

”抜戸岩”の中の様子。
”鳥海山”の ”割れ岩”とよく似ているが規模は随分小さい。

下り時にも稜線に4匹の雷鳥が居た。 通り過ぎようと思ったが、
1匹がこちらを見て動こうとしないので又、カメラを向けてしまった。
雷鳥は下の方から白い冬毛に変わりつつある、真っ白い雷鳥を
見てみた
いものだ。 (冬山は行かないから無理か)

笠新道の下り
  気持ちの良い稜線歩きから下りに入ると、こんなに登ったのかと思うほどやけに下りが長く感じる。 登山道の岩、石は霧雨で濡れているのにグリップが良く、蛇紋岩とは大きな違いで安心感がある。 ようやく眼下に蒲田川が見えてきても中々登山口に辿り着かない。 登山口からの林道歩きも疲れきった体にはやけに長く感じた。 (行きは先輩と喋りながらの歩きだったのであっと言う間に着いた感じがしたが)

深田久弥著の「日本百名山」から
それほど目立つ端正な山だから、古くから人々の注意を引き、信仰の山となったのは当然だろう。その初登頂者は円空上人と伝えられる。円空は鉈一丁で仏像を刻んだ奇僧で、近年、その彫刻が
有名になり、展覧会が催されたり、作品の写真集がでたりした。

前日の移動
  今回は先輩の車に載せて行ってもらうことになった。
今年初めて運転手付きの車に乗ることになり、その楽チンさに心密かに感激する。 交通費は折半になるのでETC深夜割引のけち臭いことは言わず、早めに高速道路を降りて早めに新穂高に入る。
  村営無料駐車場に入ったのは24時、駐車場は満車に近かった。
空は満天の星が出ているが、さて、明日の天気はどうなるのか?
先輩持参のウィスキーを呑んで寝る。
当日は
  昨夜の好天から朝の冷え込みにびびっていたが、目が覚めるとやけに暖かい。
それもそのはず、空はべた曇りだ。 まだ暗い中、バスターミナルのトイレまで行ってみると、トイレは暖房が効いていて、お湯まで出る。 やり過ぎちゃいまっか!。 ヘッデンが要らない位明るくなってきたので5時15分、新穂高の
バスターミナルを出発する。

  分岐点からの稜線歩きはガスで何も見えなかったが、晴天であれば穂高連峰を初め、
黒部五郎岳、焼岳、乗鞍岳が一望出来る展望が得られる様だ。 今回は写真をほとんど
撮らなかった。(撮るものが無かった)がここは必ずリベンジして多くの写真を残したい。

林道を一緒に歩いてきた先輩は ”笠ヶ岳”には行かずに ”抜戸岳”に行くので先に行けと言う。 稜線までは同じ道なので一緒に行きたかったが、スピードが違うのでと突き放されてしまった。 登山口からはいつもの単独行となる。

こちらは別行動で抜戸岳に登った先輩の写真。
分岐点に”抜戸100m”の標識があったの
で行ってみようかなとも思ったが、先輩の話
では100mでは済まなかったらしい。

笠ヶ岳山荘で昼飯
  山荘で350mLのビール(550円)を買って、おにぎりを肴にビールを呑む。
山荘では俺を2回抜いて行った若者がラーメンを食べていた。 これが実に美味そうで
下山したらラーメンが食べたいと思ってしまった。 山荘には宿泊客が次々に入ってき
て昔からの知り合いの様に山談議が始まるが、日帰りで長居は出来ず、話が盛り上がっ
た頃に抜け出して下山する。 ビールはおっちゃんの元気ジュース、しばらくは足取りが快調だった。

”笠ヶ岳”の鳥瞰図。

日本百名山』 三大急登の笠新道を頑張って登ったが山頂はガスガスで展望得られず。
かさがたけ
登山口は眼下に見える ”蒲田川”沿いにあるので、
”蒲田川”からここまでの急登を登って来たことになる。
展望地としては有難い看板であるが、前述した通り、既に穂高連山は
ガスに隠れてまったく見えなくなってしまっている。
”杓子平”から尾根筋を右側に廻り込んで行く。
Road Map :高山市からR158を東進し、平湯峠を抜けてから
            R471、県道475から新穂高に向かう。
クリックで拡大します。
2023年12月11日改定